「世界は脱原発!」・・・なの?

アクセスカウンタ

zoom RSS 沸騰水型軽水炉の再循環ポンプメカニカルシールに海外品を採用

<<   作成日時 : 2010/02/06 01:47   >>

ナイス ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 0

 本日付の電気新聞に、下記のニュースが掲載されていました。

東京電力がメカニカルシールをAECLから初調達

 東京電力は沸騰水型軽水炉(BWR)プラントの原子炉再循環(PLR)ポンプで使うメカニカルシールを、カナダ原子力公社(AECL)から初めて調達した。現在、福島第一原子力発電所4号機のPLRポンプ2系統のうち1系統に導入しており、運転中の状態を確認している。これまで東電はPLRポンプのメカニカルシールを2社から調達していたが、複数のメーカーからより安定した製品を確保できる体制にした。東電では「もう1プラントでも導入する方向」(原子力設備管理部)としている。


 この「メカニカルシール」は、軸とポンプケーシングの間からの水漏れを抑えるためにある部品です。PLRポンプでは炉圧が70kと高く、また汚染されているために漏洩を防ぐために二段構造となっており、原子炉の圧力を二段階に分けて受け持っています。(ちなみに加圧水型軽水炉は圧力がさらに高いため、三段構造です。)

 この二段構造の片方の機能が低下したとしても、安全面・ポンプ性能面では全く問題はありません。実際、他の国では漏洩が発生するまで運転を継続することもあります。しかしながら、「念のために」プラントを停止して交換を行うのが日本の原子力発電所の不文律となっています。



 私もかつて某発電所の原子炉周りの機器の担当でしたが、PLRポンプのメカシールには苦労させられました。
 定期検査で毎回交換するわけですが、それでもプラント運転中に性能が低下し、交換のために止めることが度々ありました。

  皆が「メカシールは性能が低下するもの」、つまり「消耗品」だと考えていました。

 規制側も地元もこの点については十分理解しており、恒久的な再発防止対策を求められることはありませんでした。
 プラントを止めてメカニカルシールを交換、並行して簡単な調査を行い検査官へ説明。そしてプラント再起動まで1週間程度だったと記憶しています。

 このようにトラブルとも言えないトラブルなのですが、それでも朝日新聞の地方版や毎日新聞には大きく取り上げられ、非常に違和感を感じたものです。(とくに毎日新聞は全国版での扱いが地元紙より大きかったりと、かなり異常でした。)


 ただ、たかだか数百万円の消耗品とは言え、これ一個の交換のためにプラントを停止することによる電力会社の損失は一回あたり数億円にも及ぶわけですから、バカにはできません。
 電気新聞の記事によるとAECLのメカシールは国外では5年間も使用した実績があるとのことで、稼働率向上への効果が期待されます。
 また、使用状況に関する情報はBWRオーナーズグループ(JBOG)を通じて東京電力以外の電力も共有されるそうですので、かつての担当者としては興味が尽きません。


 諸外国では既に実施されている18ヶ月運転・24ヶ月運転。今後日本でも運転期間の延長に向けた動きが具体化してくると思いますが、ここでPLRポンプメカシールの信頼性向上は非常に重要な意味を持つと思います。
(PLRポンプメカシールの信頼性と主蒸気逃がし安全弁の機能が担保できれば、18ヶ月運転は簡単に達成可能だと思います。)
 今回のAECL製品の採用はそのための布石ではないかと思いますね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
沸騰水型軽水炉の再循環ポンプメカニカルシールに海外品を採用 「世界は脱原発!」・・・なの?/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる