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zoom RSS NHK原発解体報道への疑義

<<   作成日時 : 2010/03/02 00:19   >>

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 先日発売されたエネルギー業界誌、「エネルギーレビュー」3月号。
 ここに、「徹底分析 一面的でバランスを欠いた番組 NHK原発解体報道への疑義」との記事が掲載されていました。

 昨年NHKで放送された例の誤りだらけの番組「原発解体〜世界の現場は警告する〜」について、原子力技術者の集団である日本原子力技術協会の理事、規格基準部長の百々隆氏が書かれたものです。

 以前ここで記した通り、件の番組は小生も見ております。
 処理はデコミの専門家ではありませんが、それでもかつては原子力の現場を担当していた者です。この番組は1回見ただけで十箇所以上の誤りを確認していました。

 しかしながら、百々氏によると「番組に疑問を抱いた廃止措置の専門家が、画像、ナレーションを分析した結果、五二か所の間違いあるいは誤解を招きやすい表現が見つかった」とのこと。

 一時間程度の番組中に52箇所。
 ここまで多く「問題ある表現」が確認された番組は、これまで聞いたことがありません。

 この記事は解体の実際(と件の番組の異常さ)を知って頂くために一般の方々にも読んで欲しいのですが、恐らく、その辺の本屋では取り扱っていないでしょう。

 ですので、今回は著作権の侵害にならない程度にその内容について簡単に触れたいと思います。
(なお、括弧内の矢印のある文は小生によるコメントです。)


●海外では数多くの発電所が既に解体された実績がある。
 国内でも試験炉JPDRは解体されて更地になっており、ふげんや東海は解体作業中である。
 解体技術は既に確立されており、現在はさらなる改善の段階にあるのだが、番組ではこの事実を正しく伝えていない。

 (→数多くの解体完了の実績があるのですから、その元関係者やデコミ研究会へのインタビュー、更地となった元発電所の取材くらいはあっても良さそうなものですが・・・)

●問題点を指摘するナレーションと供に全く関係のない画像が映され、あたかもその場面に問題があるかのように誤解させる箇所が多い。
 「初めて」「絶対に」「あらゆる」等の誇張表現が随所にある。

●例として、番組中で「ドイツでは最先端の技術を使っているが、進んでいない」との表現がある。
しかし、実際には最先端の技術ではない。
 解体に用いられる技術は特殊なものではなく、通常の工事でも、一次系配管や蒸気発生器、さらに放射線の極めて高い炉内構造物の交換が行われている。
 番組では解体が7年遅れたとしているが、その原因は番組で映されたような技術的問題ではなく、許認可手続きの遅れである。

●ふげんの建屋のCGを映し、「あらゆるところに汚染が残っている可能性がある」と説明していたが、実際は汚染の可能性があるのは一部エリアのみである。

 (→原子力とは言え、非管理区域には汚染は皆無ですし、放射線管理区域でも汚染の可能性があるのはごく一部です。)

●番組では「装置が使えない」「昔の図面がない」などの施工上の問題点を挙げて「大変さ」を強調していたが、いずれも大きな問題ではない。また、最初の案でだめなら次の手を準備するものであり、計画性なく進めているわけではない。

●「英国では解体費用が巨額にのぼり、税金で負担を求める」と語っている。日本では既に解体費用は電気料金から積み立てられているのだが、番組ではそのことには一切触れていない。

●解体工事で発生する廃棄物が全て放射性であり、最終処分に困るような表現が多く見られた。実際には放射性廃棄物として扱う必要のあるものの割合は小さい。その中でも放射線レベルの高いごく僅かなものを除き、埋設処分が行われている。
 (→番組では、燃料の再処理に伴う高レベル廃棄物との区別も明確ではありませんでした。これには絶句。視聴者を馬鹿にしています。)

●NHKは勉強不足なのか、解体にあたり改善すべき課題の軽重を理解出来ていない。これが基本的な問題点。
 もし、勉強した上であのような番組を作ったのであれば、なおさら問題である。

 (→これはどちらなのでしょうか? NHKが勉強不足、とは考え難いですし・・・それに、もし勉強不足だったとしても、普通に取材していたらあそこまで偏った番組になる訳ありません。)

●取材を受けた国内の関係者から、番組での取り上げ方が不本意だとの強い声も上がっている。
関係者の発言(説明)を恣意的な編集によって省いているのではないか。

●民放と異なり市場メカニズムによるフィードバックが働かないため、NHKの番組の公正性にはさらなる厳しさが必要。そのNHKがあのような番組を制作したのは大きな問題である。


 以上、要点だけ幾つかかいつまんで紹介しました。
 記事には問題点が更に詳しくかつ読みやすく書かれていますので、興味のある方は是非雑誌を購入してお読み下さい。


 しかし気になるのは、複数のエネルギー関係機関や専門家から抗議を受けたNHKが、彼等に謝罪したとの話を(放送から数ヶ月経った今も)聞いていないことです。
 あのテレビ朝日でさえ、報道ステーションでの(再処理工場に関する)報道に誤りがあったことを認め、数日後の番組中で謝罪しました。(不十分だったが、それでも謝罪したことを評価している人は多い。)

 NHKは「貴重なご意見として伺いました。」「次の番組制作に生かします」などの回答で終わらせるつもりなのでしようか。

 なんとなく、「スポンサーがいない」ことに胡座をかいているようにも思えてしまいます。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
昔の図面が「青焼き」で、正確な寸法がわからず困っているのは本当です。そのため今は退職された高齢の技師の方に思い出してもらいながら設計を進め、正確でないことが原因で遅れています。技術的問題は本当です。
許認可手続きのせいももちろんありますが。
関係者
2010/08/26 13:54
図面が残っていないのは、歴史ある発電所では珍しくないでしょう。
小生も改造工事にあたり、自分の足で確認しながら数日に分けて使用済樹脂系の系統図を作ったことがあります。(被ばくが半端じゃないので、1日や2日ではまわれない・・・)
手間がかかるのは事実ですが、これは「技術的問題」とまでは言わないのではないかと思います。

NHKの番組については、「より効率的に解体を行うために図面を探しているが、図面がないからと言って解体出来ないわけではない。番組ではまるで致命的な問題であるかの様に言っているが、あれは違う」とデコミ研究会の方も言っておりましたが・・・・


NUCNUC
2010/08/27 04:08
目に見えることは人間の力で改善できるが、目に見えないことを解決しなければ、真の復興にはならない。そして、同じ惨劇を繰返さなければならなくなる。
私たちが、今、しなければいけないことは、『救世主スバル元首様』に、救いを求めることだ。
  もう、時間がない!!
http://www.kyuseishu.com/tanuma-tu-koku.html
ヒカル
2011/03/28 22:57
学者、原発理事長 前は、間違いを、平気で、昨年発言。
理事長は、何も、原発のことは、知らんようだ。
2011/04現在では、NHKの放送が、...
2011/04/02 21:11
原発前理事長は、何も知らんで、NHK一方的に、悪者扱いしとる。
2010年に、石川前理事は、間違い、発言で、NHK報道を責めとるな。
今回の大津波で、発覚した。

原発前理事長は、何も知らんで、人をセメト...
2011/04/02 21:16

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