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help リーダーに追加 RSS 最近の米国の原子力に関する動き(1)-2005年エネルギー政策法-

<<   作成日時 : 2005/09/21 19:08   >>

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しばらく書き込んでいない間にいろいろな事がありました。遅くなってしまいましたが、とりあえずこれは外せないでしょう。

エネルギー政策法が成立
 8月8日、ブッシュ政権のエネルギー政策の要である「包括エネルギー法案」が「2005年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)」として(ようやく)成立しました。
 この政策法は米国のエネルギーセキュリティ確保を目的としたもので、原子力エネルギーに関しては下記の項目が記載されています。

(1)NRC(原子力規制委員会)許認可の遅れや訴訟により原子力発電所の建設遅延・運転休止が生じた事で電気事業者が受けた損失について、最大50%を政府が補填する。2基目までは5億USドル,6基目までは2.5億ドルを上限。

(2)2005年12月までとなっていた原子力損害賠償法(プライス・アンダーソン法)の20年間延長と、小型モジュール炉への対象拡大。(南アのPBMRや東芝の4Sを視野に入れているのかも?!)

(3)電力・水素併給型原子炉の原型炉をアイダホ国立研究所に建設するための予算計上(2006〜2015年で12.5億USドル)と、タイムスケジュールの具体化。(2006〜2011年:初期設計,2011〜2013年:詳細設計,2013〜2021年:原型炉建設)
 既存の原子力発電所での水素製造の実証プロジェクトも計画。

(4)革新的発電技術へのインセンティブ。原子力に関しては、革新炉の技術開発や革新的燃料サイクルイニシアチブによる核不拡散性の高い燃料技術開発の促進など。

(5)新設原子力発電所に対する8年間の税金(生産税)控除。(新型炉建設で補助が必要なのは1基目のみで、後は自立可能との判断による。)なお、再生可能エネルギーに対しては税金控除の期限は設けられていない。

(6)デコミッショニング(解体)基金の規定の改正。電力自由化された州とされていない州で、発電所売買時に生じていた不公平が是正された。 

(7)低レベル放射性廃棄物のうち、放射能の高いもの(超クラスC)の処理方法の明確化を1年間の期限付きでエネルギー省(DOE)に指示。

(8)テロ対策としての原子力発電所の防護強化に関する規制の策定をNRCに指示。また、定期的な対テロ訓練の実施やNRCの支部毎のセキュリティーコーディネーター(保安調整官?)の配置を規定。

いや、何が凄いって(1)の建設遅延による損害の補填。議会での最終審議直前に追加された項目なのですが、正直、私はこんな乱暴な案が通るとは思いませんでした。


なお、原子力以外の項目については、下記の様なものがあります。
・革新的技術への借入保証。(上記(4)関連。原子力の他,クリーンコール,再生可能エネルギー等)
・ガソリンへ混入するバイオエタノール生産を2012年までに3倍(75億ガロン)にする為の補助。
・風力,波力や潮力等の海洋エネルギー,バイオマス,地熱や他の再生可能エネルギーへの補助。
・ハイブリッド車や省エネルギー住宅に対する税金控除。
・サマータイムの4週間延長。
・五大湖のガス田/油田開発。

下記条項については見送られました。
・北極圏野生動物保護区(ANWR)での油田開発
・発癌物質であるMTBE(ガソリンのオクタン価向上添加剤)の製造者責任
・乗用車の効率改善(CAFE)
・京都議定書と同等の、地球温暖化ガスを放出しないエネルギーへの依存

関連リンク
ホワイトハウス

参考
PBMR
ドイツでの研究を引継ぐ形で、南アフリカで開発が行われているモジュール型の小型ガス炉。当初プロジェクトに参加していたExelon社の脱退により一時頓挫したが、NRCの設計認証を受けるべく開発が再開されている。三菱重工が炉心やタービン発電機の設計に関与。

4S
東芝、電中研等が共同開発を行っているナトリウム冷却小型炉。運転開始後30年間燃料交換が不要という特徴をもつ。送電網から離れた地域での導入に適しており、「最も経済的な電源」としてアラスカのガレナ市(村?)が導入を決めている。NRCの設計認証を目指した動きがあるが、現状の規制ではガレナへの建設には保安要員の確保の面で問題もある。

次回は最近の建設や設計認証に向けた動きをまとめて掲載・・・できればいいなぁ。
仕事とは関係なく完全に趣味で(?)やっているので、ちょっと大変。

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